家の売却でマイナスにしないために!損失を抑える方法や赤字にならない方法を解説
2021.12.08
こんにちは!不動産売買をサポートする八城地建の岩瀬です。
家や土地などの不動産を売却したいと考えたとき、赤字になってしまったらどうしようと思うことはありませんか?
たしかに家や土地などの不動産売却では、必ずしも黒字になるとは限りません。
特に建物を新築もしくは、築が新しい物件を購入していた場合には、築年数の経過と共に建物の評価額は下がっていくのが、一般的です。
そのような状況では購入額より売却額が下回ることもあるでしょう。
しかし、少しでも損失を抑えたり、赤字にならないための対策をとることは可能です。
今回は家の売却はどんなときにマイナスになるのかという基本から、マイナスになった場合に損失を抑える方法、赤字にならないための方法について詳しくご紹介します。
家の売却でマイナスとは?どんなケースで赤字になる?
家の売却でマイナスになるのはどのような状況でしょうか?
売却での赤字とは、家や土地などの不動産が購入額よりも売却額のほうが下回っていたり、売却代金から取得費(購入時に発生した費用)と諸経費を引いてマイナスになっている状態のことです。
これを「譲渡損失」と言います。
実は、家の売却のプラスマイナスを出す計算は、単純に「売却金額−購入金額」ではありません。
家の売却には不動産仲介手数料や印紙税など、さまざまな諸経費が発生します。
例えば、購入時の金額とほぼ同じ金額で売却できても、諸経費がかかってしまい、マイナスになってしまうケースも少なくありません。
また、家は築年数の経過や経年劣化の度合いで価値が下がってしまうため、購入金額と売却金額が等しくなる・高く売却できることは珍しく、マイナスになるケースはよく見られます。
では、この損失はどうすれば抑えられるのでしょうか。
次で詳しく説明していきます!
家の売却でマイナスになったら、どう損失を抑えられる?
家の売却でマイナスが出てしまったら、損失を少しでも抑えるために確定申告を行うことで、税金の還付を受けられる可能性が出てきます。
本来、家の売却で確定申告が必要となるケースは、売却価格が買った時よりも高く売れ利益が出る黒字(所得)となった場合のみです。
しかし、一定の条件を満たすことで、税金控除の特例が受けることができます。
なお、この特例を受けるためには、売却がマイナスになった場合でも確定申告が必要です。
不動産の売却でマイナスが出た場合に受けられる税金控除の特例は2つあります。
新たにマイホームを買い換える場合には「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」、買い換えない場合は「特定居住用財産(マイホーム)の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が適用されます。
詳しくご紹介していきましょう。
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
この特例は、家の買い換えのために自宅(マイホーム)を売却し、譲渡損失が出た場合に、一定の条件を満たせば適用されます。
定められている条件は以下の通りとなります。
- 家屋が取り壊された場合は、取り壊された日の属する年の1月1日時点で所有期間が5年以上である
- 譲渡先が第三者である(家族や同居の親族は不可)
- 売却した年の前年の1月1日から、売却した翌年の12月31日までに新しい家を購入する
- 新しい家を購入した翌年12月31日までに住み始める
- 10年以上の住宅ローンを組んで購入する
- 購入する物件の床面積が50㎡以上ある
特定居住用財産(マイホーム)の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
この特例は、自宅(マイホーム)の売却金額が、住宅ローンの残高より下回った場合に利用できます。
一定の条件を満たしていれば確定申告を行うことで、譲渡損失を同年の別の所得から控除(損益通算)できる制度です。
定められている条件は以下の通りとなります。
- 売却する年の1月1日時点で所有期間が5年以上である
- 譲渡先が第三者である(家族や同居の親族は不可)
- 家を売却する前日の時点で住宅ローンの残高が残っている、かつ10年以上の残高がある
- 家の売却価格が、残っている住宅ローンの残高よりも下回っていること
これらの条件をすべて満たしていれば、確定申告で特例を申請し、税金の還付が受けられます。
ただし、2021年12月31日までに売却して、新たにマイホーム(新居宅)を購入した場合が対象です。
※2021年11月現在、2022年以降の適用についてはまだ未定です。
ちなみに、家を売却した同じ年に損益通算を行なっても控除しきれないときは、翌年から3年以内に繰越をして控除することが可能です。
これを「繰越控除」と呼びます。
繰越控除を受ける場合は、家を売却した年の合計所得金額が3,000万円以内であることを条件として定めています。
合計所得が3,000万円を超えた場合は、その年に特例を適用することはできません。
家の売却でマイナスになり、税金の還付を受けるには確定申告を!
家の売却後に行う確定申告の流れを簡単にご説明します。
ご自身での申告が難しい場合は、依頼料は発生しますが税理士に依頼することも可能です。
家の売却でマイナスが出た場合の確定申告の手続き
確定申告の手続きは、家を売却した年度の期限内に確定申告書を提出することとなります。
期限内にきちんと提出していないと、翌年度分以降の損益通算ができなくなりますので、必ず提出期限を守るようにしてください。
確定申告書に忘れずに記入する部分として「確定申告書(分離課税用)第三表」の中にある「特例適用条文欄」があります。
この部分には「措法41条の5 1項」と記入しましょう。
家の売却でマイナスが出た場合の確定申告で必要になる書類
確定申告をする際に、必要となる書類です。
漏れがないように事前に必ず確認をしておきましょう。
- 売却した家の「住宅借入金等の残高証明書」
→売買契約締結日の前日のものでなければなりません。 - 売却した家の所有期間が5年を超えていることが確認できるもの
→「譲渡資産に係る登記事項証明書」や「売買契約書」などがいいでしょう。 - 売却した家に住んでいたことを証明するもの
→住民票などで問題ありません。
しかし、住民票に記載されている住所が譲渡資産となる所在地が違う場合は、「戸籍の附票の写し」などの方が良い場合もあります。
以下の2つの書類も一緒に提出しますので準備をしておきましょう。
- 特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)
- 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書(租税特別措置法第41条の5の2用)
翌年以降に繰越控除をするケースの注意点
家を売却した同じ年度内ではなく、翌年以降に「繰越控除」を行う場合でも、売却した年度の確定申告は行なわなければなりません。
売却した年度の確定申告で、特例を受ける手続きを行い、翌年以降の年分の確定申告書を連続して提出しなければならないのです。
「繰越損失」を控除する年分の確定申告書には以下の点がポイントとなります。
- 確定申告書第一表の中にある、「本年分で差し引く繰越損失額」欄に控除額を記入する
- 確定申告書第四表(損失申告用)(一)および(二)を添付する
確定申告書第四表(損失申告用)(一)と(二)の書類は国税局のホームページからも取得可能です。
家の売却でマイナスにさせないための対策はある?
家や土地などの不動産売却をマイナスにさせないためには、信頼できる不動産会社選びがカギとなります。
加えて、これから紹介する注意点を踏まえて行動するだけでも、家の売却による損失を抑えることができるでしょう。
家の売却でマイナスを出さないための3つのポイント
できる限り家の売却でマイナスを出さないためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 家の売却の査定は複数の不動産業者に依頼する
- 売却不動産のある地域を得意とする不動産業者を探す
- 複数の不動産業者を比較する際は売却に係る経費の内訳を確認する
早く家を売却したいと思うあまりに、目についた不動産業者にとりあえず査定を依頼し、そのまま売却してしまうことはよくあることです。
しかし、同じ不動産業者でも得手不得手があります。
信頼できる不動産業者を見つけるためには、初めに複数の不動産業者に見積りをとり、十分な比較検討を行うことが大切です。
同じ物件の見積りであっても、査定額に数百万円単位で差異があることも珍しくありません。
「郊外の戸建てが得意」「マンションが得意」など、ホームページでトップに打ち出している内容から得意分野が見えてくることもあります。
売る家と同じエリアの取引実績数が多いかも、チェックポイントとなるでしょう。
また、売却時に発生する「売却経費」は、家の売却方法によって異なります。
それぞれの不動産会社がどのような売却方法を提案してもらえるかと合わせて、売却に必要となる経費についても内訳をチェックしておくといいでしょう。
家の売却をマイナスにしないために事前に対策を!
家を売却するとマイナスが出てしまったらどうしようと考えている方は、まずは税金控除の特例が受けられるかどうかをチェックしてみてください。
家の売却でマイナスになってしまっても、税金控除が受けられればマイナスを少しでもプラスに近づけることは可能です。
そのためにも、ぜひ確定申告を行いましょう。
また、家を売却する際に赤字にならないためには、信頼できる不動産業者選びが大切です。
「複数社の見積もりからの比較検討」「売却が得意な業者」「売却方法と売却経費の内訳を知る」、この3つのポイントを押さえておきましょう。
不動産売却をスムーズに進めるためには、しっかりとした準備のお手伝いができる不動産会社が安心。
札幌市南区・北広島・恵庭の不動産売却をご検討なら、八城地建へお気軽にお問い合わせくださいね。
損の少ない不動産売却が叶うよう、最後までしっかりサポートさせていただきます。