空き家にすると劣化スピードが早い!その原因や対策も解説
2024.08.30
こんにちは!不動産売買をサポートする八城地建の宮下です。
近年、空き家問題が社会的な問題となっています。
相続などで所有することになった空き家をどうしようかとお悩みの方もいることでしょう。
空き家は放置すると、思っている以上に劣化スピードが早まります。
そこで今回は、空き家の劣化が早く進む原因や対策、そして空き家が劣化する前にすべきことについて説明します。
空き家にすると劣化スピードが早まるのはなぜ?
空き家は、居住中の家に比べて、劣化のスピードが早くなる傾向にあります。
その主な原因は「人が住んでいない」ことに他なりません。
人が住んでいないことによる劣化の理由には、主に次の4つが挙げられます。
- 換気が行われない
- 水道管やガス管が使われない
- 掃除が行われない
- 修繕されない
それぞれについて、詳しく説明しましょう。
換気が行われない
人の出入りが少なくなる空き家では、ドアや窓の開け閉めをする機会が減るため、湿気がこもりやすくなります。
湿気は家のさまざまな場所に問題を引き起こします。
例えば、次のような問題です。
- カビの発生
- 木造部材の腐食
- シロアリ被害
- ダニや細菌の繁殖
- 内装の劣化
湿気による問題は、見た目を悪くするだけでなく、建物の構造や居住環境に深刻な影響を与える可能性があります。
シロアリの被害を受けると柱や部材に穴が空いてしまうため、そこから雨漏りなどが生じて劣化を早める可能性もあるのです。
水道管やガス管が使われない
水道やガスを長期間使用しないと、管がサビたり、管の内側にヘドロがこびりついて破損を引き起こしたりする場合があります。
管のサビは最悪の場合、破損を引き起こす可能性も。
水漏れは床の腐食やカビ・シロアリの発生、その他ほか、建物の構造が劣化するような二次被害をもたらす可能性もあるでしょう。
特に水道管は長い間使わないと管の中に満たされていた水がなくなってしまい、虫やネズミの侵入経路になることもあります。
また、管から侵入した生物の死骸や排泄物が、家の床を腐らせるケースもあります。
北海道の場合は、冬期間に水道管を凍結させて破損させてしまう場合や、大雪により屋根が破損し、すが漏れによる被害もありますので注意が必要です。
掃除が行われない
人が住んでいれば日常的に掃除が行われますが、空き家の場合は掃除が行われません。
家は、閉め切った状態でもチリやホコリが積もっていきます。
チリやホコリは、次のような劣化を引き起こします。
- 虫やカビの繁殖の餌となる
- クロスや床、天井などの劣化を早める
- 床や屋根裏など、目に見えない部分の劣化を進行させる
特にカビ類は、換気がされず高湿度になれば一気に繁殖してしまいますので、注意が必要です。
また、虫が住み着いてしまうと、壁紙や木造部分を食い荒らすなど劣化を早める原因となります。
修繕されない
空き家になった家は、不具合に気付くのが遅れがちです。
不具合の修繕を後回しにしてしまうと、予想外の出来事により劣化が進むことがあります。
例えば大雨や台風の影響で雨漏りがひどくなるといったことが起こるかもしれません。
そのほか、長く玄関ドアを開け閉めしていないために鍵シリンダーが固着してしまい、開きにくくなるといったことも。
住んでいれば少し油を差すだけで解消できたかもしれませんし、そもそも固着も防げたかもしれません。
空き家は必要なタイミングより修繕が遅れたり、そのまま放置されたりしやすいため、劣化が進行しやすくなるのです。
空き家の劣化をなるべく防ぐ対策もチェック!
空き家の劣化をなるべく防ぐために重要なのは、できるだけ人の出入りを増やすことです。
具体的には、以下の3つの方法があります。
- 定期的にメンテナンスする
- 管理会社に管理を依頼する
- 賃貸物件にする
定期的にメンテナンスする
空き家は定期的にメンテナンスする必要があります。
最低でも月に1回、できることならばそれ以上の頻度で行うのが理想です。
具体的なメンテナンスのポイントは、次の3つです。
①換気
メンテナンスに訪れたときに、窓を開けて家の空気を入れ替えましょう。
タンス、棚、押し入れなどの扉も開け、こもった空気を逃すことが重要です。
晴れていて、湿度の低い日に1時間程度の換気を行うのが理想的です。
換気はできるだけ多くの窓やドアを開けると、効率良く家の中に空気の通り道を作ることができます。
このとき、クローゼットや押入れも忘れずに開け、家中をしっかり換気しましょう。
②通水
水道が使える状態であれば、キッチンやバスルームなど、すべての蛇口で1分以上水を出すようにしましょう。
通水することで、管のサビ防止や排水トラップの水補給、悪臭や害虫・ネズミの侵入防止になります。
このとき、蛇口付近からの水漏れがないかなどもあわせてチェックしましょう。
水漏れがある場合、ゴムパッキンや部品が劣化している可能性があります。
③掃除や点検
掃除は、掃き掃除や拭き掃除でホコリがたまるのを防ぐ役割があります。
また、屋内だけでなく、庭や家の裏の草むしりや草刈りもしっかりと行いましょう。
掃除をしながら建物の内外の点検を行い、劣化の原因や不具合を早めに発見できると良いですね。
なお、主な点検ポイントは次の通りです。
- 壁のひび割れ
- 天井の雨漏りのシミ
- 外壁の崩れ
- 屋根・軒裏の変形や損傷
点検を通して不具合を早めに発見し、早いタイミングで修繕できるのが理想です。
また、空き家に家財道具が残っていると空気の通りが悪くなって湿気がたまりやすかったり、メンテナンスの妨げになったりします。
使わない家財道具は、思いきって処分するのがおすすめですよ。
空き家の家財道具の処分について知りたい方は「空き家の家財処分方法をご紹介!費用相場や相続の場合の遺品整理も確認」のコラムも参考にしてください。
管理会社に管理をお願いする
自分でメンテナンスが難しい場合は、管理会社にメンテナンスを依頼する方法もあります。
業者によってサービスは異なりますが、換気・通水・掃除・点検などを依頼できます。
費用はかかりますが、所有している空き家と離れた場所に住んでいる場合などにも効果的な方法です。
賃貸物件にする
所有する空き家の立地が良く、建物の状態に問題がない場合は、賃貸に出して誰かに住んでもらうのも効果的です。
賃貸にすると、次のようなメリットがあります。
- 定期的なメンテナンスの手間が省ける
- 住人から不具合や修繕が必要な部分の情報が得られる
- 家賃収入が得られる可能性がある
固定資産税などの税負担は残るものの、賃貸収入が得られることや、資産として残しておけるという点に魅力を感じる場合は、賃貸が向いているでしょう。
劣化を防ぐ3つの対策をご紹介しましたが、空き家を所有しつづけると管理のコストや固定資産税などの税負担が発生し続けます。
そのため、売却を視野に入れることもおすすめします。
空き家は劣化を放置すると危険!早めの売却がおすすめな理由
空き家は劣化したまま放置すると、さまざまなリスクが生じます。
ここからは、空き家が劣化した状態で放置されることによるリスクと、劣化する前に売却をしたほうが良い理由についてお伝えしていきます。
空き家を放置するリスクとは?
空き家の劣化を放置することによって生じるリスクには、次のようなものがあります。
- 外観の悪化
- 耐久性や安全性の低下
- 修繕や解体にかかる費用の増加
空き家を劣化したまま放置すると、外観が非常に悪くなることは想像にたやすいでしょう。
外観が悪化した空き家は、売却活動を行っても買い手がつきにくくなります。
また、家のメンテナンスだけでなく、庭の草木も手入れされないままで放置すると、野生動物が住みついて悪臭の原因になったり犯罪の温床になったりするなど、治安の悪化につながる可能性もあります。
また、劣化が進んだ空き家は、もろくなった建材が崩れたり地震や大雨で倒壊したりといったことも重大なリスクです。
周囲への迷惑や事故の可能性もあり、何か起きた場合は所有者が賠償金を求められる恐れもあるでしょう。
このようなリスクの増加に伴い、空き家問題に対しては法律も施行されています。
詳しくは「空家等対策特別措置法とは?改正になった部分も解説!」も参考にしてくださいね。
将来的に自分で住もうと考えている場合でも、劣化してしまった場合、修繕やリフォームにかかる費用も増加します。
劣化してからでは解体にも危険が伴うため、更地にするにしても、解体にかかるコストが増えるかもしれません。
なお解体して更地にした場合の活用方法については「空き地の有効な活用事例をご紹介!放置にはリスクがある」も参考にしてください。
空き家が劣化する前に売却をしたほうが良い理由
相続などで空き家を所有することになった場合、早めに不動産会社を通じて売却を検討するのがおすすめです。
早めに売却活動を始めることによって、家が時間とともに劣化する前のきれいな状態で売却できます。
そのため、早ければ早いほど売却できる可能性が高まります。
また、売却で現金化できることにより、遺産相続の分割がしやすいという点もメリットです。
さらに、将来的にかかるメンテナンスのコストや手間も削減できます。
築年数や設備、立地などで不安に感じることがあれば、信頼できる不動産会社に相談することをおすすめします。
さまざまな条件によって売却が難しいという場合は、不動産会社に「買取」してもらうのも方法の一つでしょう。
売却価格は相場や希望よりも少し下がりますが、買い手を探すよりも早い段階で現金化が可能です。
空き家の劣化スピードは早い!適切な管理と早めの対策を
空き家の劣化は予想以上に早く進行します。
定期的なメンテナンスや賃貸としての活用などの対策を講じることで、劣化を遅らせることはできますが、長期的にはさまざまなリスクが伴います。
将来的な利用計画がない場合は、早めの売却を検討するのが良いでしょう。
早めに現金化するために、不動産会社に「買取」を依頼するのも一つの方法です。
不動産の状態や個人の事情によって最適な選択肢は異なります。
空き家の対策で不安に感じる方は、専門家に相談しながら、最良の方法を見つけていくのが良いでしょう。
札幌市南区、北広島市、恵庭市で相続不動産の売却を検討されている方は、八城地建までお気軽にご相談ください。
ご相談は無料で承っています。