北海道の空き家活用術!地域別成功事例と売却事例もご紹介
2025.09.19
こんにちは!不動産売買をサポートする八城地建の岩瀬です。
北海道で空き家を所有しており「どうやって活用すればよいのだろう」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
北海道では積極的に空き家の活用促進に取り組んでおり、さまざまな相談窓口や支援制度が用意されています。
今回は、北海道の空き家対策の最新動向から、地域ごとの成功事例、そして活用か売却かの判断ポイントまで詳しくご紹介します。
北海道は空き家対策を強化中!
北海道では空き家率が全国平均を上回る状況が続いており、道として積極的な対策を推進しています。
まずは空き家の現状と対策の見直し、相談窓口・支援体制について見ていきましょう。
北海道の空き家の現状と課題
2023年(令和3年)の住宅・土地統計調査によると、道内の空き家数は45万2千戸と、7万2千戸も増加しており、全住宅に占める空き家の割合は15.6%に達しています。
全国平均の13.8%を大きく上回る数値で、北海道の空き家問題の深刻さを物語っています。
特に人口減少や高齢化が進む地域では、相続などで引き継がれた空き家の管理に悩む方が増えているのが実情です。
「北海道空き家等対策に関する取組方針」の見直しポイント
2023年(令和5年)6月に空家等対策特別措置法が改正されたことを受け、2024年(令和6年)3月に「北海道空き家等対策に関する取組方針」の見直しが再度行われました。
この最新の取組方針では、空き家の発生抑制と活用促進、適切な管理・除却の推進が掲げられ、効果的な空き家対策が道内全域で着実に展開されるよう、市町村や民間事業者などとの連携を強化しています。
空家等対策特別措置法の詳しい内容については「空家等対策特別措置法とは?改正になった部分も解説!」で詳しく解説しています。
あわせて参考にしてくださいね!
道が設置する相談窓口と支援体制
北海道では空き家に関するさまざまな相談窓口を設置しており、所有者の悩みに応えています。
代表的なものが「北海道空き家情報バンク」です。
これは空き家の売却や賃貸を希望する所有者と、住居を求める方をマッチングするシステムで、道内各市町村と連携し、空き家の有効活用を促進しています。
また、市町村が特定空き家等を適切に判断できるよう、技術的な手引きの提供や専門的なサポートも行っています。
空き家の活用方法は?北海道ならではの取り組みも!
空き家の活用方法は多岐にわたりますが、豊かな自然環境や地域特性を活かした北海道ならではの事例も数多く生まれています。
一般的な活用方法から道内各地の成功事例まで幅広くご紹介します。
一般的な空き家活用方法
空き家には、いくつかの代表的な活用方法があります。
まずは住宅として貸し出す方法です。
戸建て賃貸として運用すれば、家賃収入を得られるだけでなく、建物の維持管理にもつながります。
立地や需要によっては、アパートや賃貸住宅を新たに建てて運用するケースもあります。
一方で、建物を取り壊して土地として活用する方法も。
更地にして駐車場や貸地にすれば、土地購入などの初期費用を抑えて始められ、需要が見込める地域では安定した収益につながります。
そのほか、地域の特性を生かした活用として、観光地では民泊やゲストハウスにしたり、カフェや雑貨店などの店舗を設けたり、リモートワークの広がりに応じてコワーキングスペースや地域コミュニティスペースとして使ったりする例もあります。
土地が「市街化区域」「市街化調整区域」どちらであるかという点も重要なので、その点も説明しながら活用例を紹介している「空き地の有効な活用事例をご紹介!放置にはリスクがある」も、ぜひ参考にしてくださいね!
北海道各地の特色ある活用事例もご紹介
北海道では各地域の特性を活かした魅力的な空き家活用事例が生まれています。
津別町の空き家活用例
津別町では築77年の住宅兼事務所を改修し、動画配信スタジオ付きのコワーキングスペース「JIMBA」を2019年にオープンしました。
地域おこし協力隊として移住した方が中心となって運営し、映像による町の情報発信基地として機能しています。
町民400人以上がリノベーションに携わり、地域愛に支えられた施設として注目を集めています。
小樽市の空き家活用例
小樽市では歴史的価値のある空き家を、ギャラリーやカフェに改装する取り組みが進んでいます。
観光資源として活用することで、訪問者に地域の文化と歴史を体感してもらう場を提供しています。
地元工芸品をインテリアに取り入れたり、自然素材を用いた持続可能な改築を行ったりと、小樽らしさを大切にした活用が特徴的です。
下川町の空き家活用例
北海道北部にある上川郡下川町では、移住促進の一環として空き家を木工工房に改修した事例があります。
地域材を活用した木工作家の誘致に成功し、地域の特色を活かしたライフスタイルの提案を行っています。
本別町の空き家活用例
十勝の東北部に位置する中川郡本別町では、「福祉でまちづくり」の一環として空き家を高齢者向けの賃貸住宅に改修。
住み替えが必要な高齢者に低価格の住宅を提供し、福祉と空き家対策を同時に解決する仕組みの構築に取り組んでいます。
まずは空き家の価値を相談!売却したほうが良いケースとは?
空き家をどのように活用するかで迷われている方は、まず不動産の専門家に相談して物件の価値を適切に把握することが大切です。
活用と売却、どちらが良いかの判断ポイントもご紹介します。
活用か売却かの判断基準
空き家を活用するか売却するかは、以下の要素を総合的に判断して決める必要があります。
まず、重要なのが建物の状態と立地条件です。
構造に問題がなく、交通の便が良い立地であれば活用できる可能性は高いでしょう。
一方で老朽化が進んでいたり、人口減少地域にあったりする場合は、活用よりも売却を検討した方が良いかもしれません。
次に収益性の検討も欠かせません。
改修費用と維持管理費を考慮して、十分な収益が期待できるかシミュレーションしてみましょう。
賃貸需要や宿泊需要を調査し、現実的な収支計算を行うことが重要です。
また、維持管理の負担も大きな判断要素です。
遠方にある空き家の場合、定期的な管理は難しく、結果的にコストが増大してしまうケースもあります。
さらに、解体を伴う場合は慎重な検討が必要です。
解体費用は数百万円規模になることも多く、加えて建物を取り壊すと固定資産税の軽減特例が外れて土地の税負担が増える場合があります。
こうした点も含めて総合的に判断することが大切です。
売却を検討すべきケース
まとめると、以下のような状況では売却を選択したほうが良い場合が多いでしょう。
1. 老朽化が著しい場合
建物の傷みが激しく、大規模な修繕が必要な場合は、改修費用が高額になりがちです。
費用対効果を考えると、売却して資金化したほうが合理的な選択といえるでしょう。
2. 賃貸需要が見込めない立地
人口減少が続く地域や交通の便が悪い立地では、活用しても借り手や利用者を見つけるのが困難です。
利用されないリスクがあるため、早めの売却検討をおすすめします。
3. 維持管理の負担が大きい場合
所有者が高齢であったり遠方に住んでいたりして、適切な管理が困難な場合も売却を検討すべきでしょう。
管理会社に委託する場合も費用がかかり、収益性を圧迫してしまいます。
4. まとまった資金が必要な場合
相続税の納税資金や住み替え資金など、まとまった現金が必要な場合は売却が現実的です。
なお、売却方法は仲介だけでなく、不動産会社が直接買い取る「買取」を選ぶことも可能です。
空き家の買取について「空き家の買取について悩む方へ徹底解説!スムーズに進めるコツも」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
八城地建の空き家売却事例も参考にご紹介!
八城地建では、札幌市南区、北広島市、恵庭市を中心に数多くの空き家売却をサポートしています。
実際にどんなお悩みで、どう売却で解決したか、参考に事例をご紹介します。
北広島市の売却事例
高齢者住宅への住み替えにより空き家となった戸建てについて、「できれば中古住宅として売りたいが、長引かせたくないため解体して土地として売ることもやむを得ない」とのご相談をいただきました。
建物は定期的にリフォームされて状態は良好でしたが、築年数が古いため購入者層の評価が分かれる懸念がありました。
そこで当社は、中古住宅としての販売と解体更地としての販売の2パターンを同時に進める方法をご提案。
さらに、売却を確実に進めるためには販売価格の設定が重要であり、周辺の相場とかけ離れないよう慎重に決定しました。
結果として土地として成約に至り、柔軟な活用方法をご提案することでお客様に安心してご検討いただけたと感じています。
また、売却前には家財の処分も必要になります。
家財処分の方法については「空き家の家財処分方法をご紹介!費用相場や相続の場合の遺品整理も確認」で解説していますので、あわせて読んでみてくださいね。
北海道ならでは空き家活用もある!売却もおすすめ
北海道では道をあげて空き家の活用促進に取り組んでおり、2024年3月には「北海道空き家等対策に関する取組方針」も見直されました。
津別町のコワーキングスペースや小樽市の歴史的建造物活用など、地域特性を活かした成功事例も数多く生まれています。
一方で老朽化が進んでいる場合や賃貸需要が見込めない立地では、早めの売却検討をおすすめしたいケースも。
活用か売却かの判断では、建物の状態や立地条件、収益性を総合的に検討することが重要です。
判断に迷ったり不安があったりする場合は、空き家の売却や土地の活用に詳しい専門家に相談することをおすすめします。
札幌市南区、北広島市、恵庭市で空き家の活用や売却を検討されている方は、八城地建までお気軽にご相談ください。
物件の状況に応じて、最適な活用方法や売却戦略をご提案いたします。